【大乱闘スマッシュブラザーズSP】展開維持に注目したプレイヤー分析データ作り【EGS Cup#2 GF】
はいどうも、こめにくしおです。
スマッシュブラザーズSP、極めて面白いゲームです。大会の時上位プレーヤー同士が勝つか負けるかのハイレベルな攻防は見ていて息が詰まるほどの緊張感があります。そこで今回はプレイする側ではなく観戦する側として、試合やプレイヤーの分析に有効なデータを模索していこうと思います。
目的
今回このようなデータを作る目的としては2つのことが挙げられます。
まず1つ目は観戦の面白さを高めることです。Youtubeやtwitchなどで配信される試合の多くは実況・解説がつきますが、解説はトップクラスのプレイヤーが担当することが多く、僕のようなスマブラをあまり深く知らない人にとっては難しい内容となってしまうことも少なくありません(これについては解説の方ではなく見る側の問題です)。そこで、有利・不利を明確に示す指標があれば、今よりも面白い観戦がより多くの人に提供できると考えています。
2つ目は、プレイヤーの分析です。僕はe-sportsチームの内情などには全く明るくないので正しいことはわからないのですが、現在のスマブラにおける「対戦相手の分析」はプレイヤー個人に依存していることが多いのだと思っています。そこで、僕のような素人でも収集可能なデータがあれば、プレイヤーの負担を軽減し、結果的によりレベルの高い競技シーンが期待できると考えています。
今回注目するデータ(展開)について
スマブラには有利展開、不利展開、ニュートラル展開と場面によって様々な状況が存在します。今回はその「展開」に注目します。
具体的には「相手に攻撃を当ててから次に相手の攻撃を当てられるまでの時間」を「自分の有利展開」とし、逆の時間を「相手の有利展開」とします。どちらにもあてはまらない場合は「ニュートラル展開」となります。
この「展開」という考え方にから、以下のようなデータを取得します。
撃墜までの展開の数
撃墜までに何回の「自分の有利展開」を行うことになるかのデータです。これにより、有利展開をどれだけ有効に活用できるかを示すことができると考えています。
有利展開における与ダメージ
1つの有利展開において、どの程度相手にダメージ(%)を与えているかを示すデータです。これにより、有利展開取得時のリターン獲得能力を示すことができます。
展開占有率
サッカーのボール占有率のようなもの。試合の時間の中での有利展開の割合を示すデータです。プレイヤーAの有利展開、プレイヤーBの有利展開の時間、ニュートラル展開の時間をそれぞれ計測し、割合(%)によって占有率を表します。このデータは試合中の有利不利を明確に示し、勝敗に直結するデータとなると考えています。
実際の試合を用いた分析(EGS Cup#2 GF)
ルーザーズから勝ち上がってきたえつじ選手と、勝者側のザクレイ選手が繰り広げた2019年国内ベストバウトとも名高いこの試合を用いてデータの収集を行います。
【スマブラSP大会】EGS Cup#2 決勝戦 ザクレイ(ジョーカー)vs えつじ(ルキナ)
1ゲーム目
ザクレイ 2 - 3 えつじ(win)
ステージ ポケモンスタジアム2 試合時間 05:04
ザクレイ(ジョーカー) | えつじ(ルキナ) | |
---|---|---|
合計展開数(回) | 21 | 21 |
平均展開数(回) | 8.0 | 7.0 |
展開平均与ダメージ(%) | 20.2 | 22.0 |
展開最大与ダメージ(%) | 49.7 | 106.8 |
展開占有率(%) | 36.17 | 52.80 |
データの説明をします。合計展開数とは、試合終了までの有利展開の回数の合計です。平均展開数は、撃墜までに要した有利展開の回数の平均値です。展開平均与ダメージは、1つの有利展開で相手に与えた%の平均を表します。展開最大与ダメージは、有利展開のうち最大のダメージを与えた際のダメージの量を表します。展開占有率は、前項で説明した通りの内容です。
このゲームにおいては、有利展開の数自体は同じですが、展開占有率はえつじさんがザクレイ選手を大きく上回っています。圧倒的なのは最大展開%であり、1ストック目においてえつじ選手は106.8%を与える爆発的なリターンを獲得しています。
2ゲーム目
(win)ザクレイ 3 - 2 えつじ
ステージ ヨッシーストーリー 試合時間 03:36
ザクレイ(ジョーカー) | えつじ(ルキナ) | |
---|---|---|
合計展開数(回) | 16 | 16 |
平均展開数(回) | 5.3 | 6.5 |
展開平均与ダメージ(%) | 23.8 | 21.4 |
展開最大与ダメージ(%) | 68.4 | 42.7 |
展開占有率(%) | 45.71 | 43.18 |
このゲームでも展開数には差は出ませんでしたが、展開占有率においてわずかにザクレイ選手が上回っています。
3ゲーム目
(win)ザクレイ 3 - 1えつじ
ステージ 村と街 試合時間 02:27
ザクレイ(ジョーカー) | えつじ(ルキナ) | |
---|---|---|
合計展開数(回) | 10 | 8 |
平均展開数(回) | 3.3 | 6.0 |
展開平均与ダメージ(%) | 35.7 | 24.2 |
展開最大与ダメージ(%) | 68.9 | 38 |
展開占有率(%) | 55.92 | 22.06 |
全てのデータでザクレイ選手がえつじ選手を大きく上回っています。
考察
以上の5ゲームの全てにおいて、展開占有率が上回った側が勝者となっています。このことから、展開占有率は勝敗を考えるのに有効な指標であると判断できます。
問題点
・サンプル数が少ない。
・相打ち展開(両者吹っ飛び)の場合の設定が難しい。今回は先に着地した側の有利展開として扱った。
おわりに
まずは、ここまで読んでいただきありがとうございました。コメントでもtwitterのリプライでもなんでもいいので、感想、指摘、質問などいただけるとありがたいです。
どこからか「EGS#2のGFは10ゲームあるだろ」という声が聞こえてきそうですが、力つきました。申し訳ありません。
1/5 続きの記事をupしました。
kome-niku-sio.hatenablog.com