物語としてのモンスターハンターワールドについて
人生を棒に振る勢いで没頭していたモンスターハンターワールド(MHW)に対する熱も落ち着きを見せ始めている。ここで、MHWのストーリーについて自分なりに感じたことをまとめようと思う。
当然ネタバレを含みます。
「敵を倒したらもっと強い敵」の繰り返し
ストーリー序盤でイキリ散らかしているモンスターを倒しに行ったらそれより強いモンスターがイキリに来たりする。ラスボスっぽいモンスターを倒しに行ったら真・ラスボスが乱入してきたりする。
モンスターハンターのそもそものゲームとしての目的として「強いモンスターを打倒する」というものがある。そのためこのような構造になることは仕方ないと考えられる。なので特に文句があるわけではないが、「あぁたぶんこいつ倒しに行ったらでもっと強い敵出てくるんだろうなぁ」というメタ的なことを考えてしまって本当にそうなるので笑ってしまう。
が、ラスボス戦は熱い
ストーリー序盤からその存在を匂わせられ、ストーリー上の目的を達成しようとしたところで満を持して乱入してくる「ネルギガンテ」。一見すればこいつもさらに強い敵に倒される通過点モンスターだが、実際そうはならず、主人公のライバルとして君臨する。主人公とネルギガンテの関係性を解説しよう。
調査の果てにこのモンスターは「古龍を食う古龍」であることが明かされる。古龍とはモンスターハンターにおいて特別な存在であり、その古龍を食うモンスターは唯一無二である。しかし、我々は「古龍を食う」存在をもう一体知っている。そうそれは、ハンター自身である。古龍を打倒し古龍の装備を身に纏うハンターこそが、ネルギガンテの対となりうる存在なのである。
人間側のキャラクターの設定が意外と深い
モンスターハンターにおいて人間サイドのキャラクターは特に印象に残るものではないと勝手に思い込んでいた。が、MHWにおいては複数のキャラクターが深い設定を持ち、ストーリー上で様々に活躍する。ストーリーにあまり関わらないキャラクターにも深い設定が存在するらしく、ウィッチャーコラボクエストなどでその片鱗を感じることができる。
しかし、そのキャラクターたちの設定を活かしきれてないようにも感じてしまう。主人公を立てるために他のキャラクターの活躍は控えめに描かれがちであるし、ストーリーを動かすためのキャラクターたちはプレイヤーから恨みを買ってしまう始末である。
が、個性があるため好きになれる人は好きになれるキャラクターたちである。実際のところ裏で活躍していることも多いのだろう。ヘイトを集めがちである受付嬢も、高速でクエストを処理していくハンターの事務処理を全てこなしているのだと思えば評価できる。気分で狩ったり狩らなかったりするモンスターについての申請とかもやってくれてるんだろう。おそらく。
端的にまとめれば
神ゲーである。過去作をあまりやっていないのでそこを含めた評価はできないが、俺TUEEEEEをするのには最高のストーリーだった。主人公の人格をこちらに丸投げしてくるストーリーである以上、自分が最も気持ち良くなれるロールプレイを行うことが、このゲームの物語を楽しむ最大の秘訣になるだろう。